過去ブログの2024年2月16日付「ドイツ語とスペイン語」(http://itunalily.jp/wordpress/wp-admin/post.php?post=6511&action)からの発展型を。
1980年代は冷戦末期だったが、西側自由主義世界と共産圏側とに分かれており、国境の区別も今以上にはっきりしていた。政治的には常に緊張感はあったものの、先進諸国は特に、旧体制から新しいものを生み出したいという若者のエネルギーに満ちていた。同時に、戦前の教育を受けた世代も健在で、一種の歯止めにはなっていた。
日本ならば、例えばゴダイゴのようなグループが今も人気を保っている理由は、恐らく、当時の方が人間らしさと活気に溢れていたからではないだろうか?青春を共に過ごした同時代的な郷愁を醸し出し、現在の平板化して低迷した、小綺麗だがつまらないテクノ世界からの脱却にも繋がり得るからではないだろうか?
ドイツならば、私にとっては圧倒的にネーナが該当する。
「ネーナ・ケルナー」という芸名を持つ1960年生まれの彼女は、本名をGabriele Susanne Kernerと言い、ハーゲン出身。ご両親は学校教師で、家族でバカンスに出かけたスペインで、地元の人々が小さくて可愛らしい彼女を‛niña’(女の子)とスペイン語で呼びかけたことから、「ネーナ」の愛称となったらしい。これは、1984年頃、名古屋で買ったLPレコードのライナーノートで知った。ギムナジウムに進学したものの、中退して金物細工のアクセサリーを作る技術学校に通い、その後、ディスコで知り合った人の手づるでポップ音楽の道へ進むようになったという。そして、西ベルリンでNENAという名で5人のロックバンドを結成し1982年にデビュー。
確か、その周辺の関係者と結婚したらしく、一時は出産して子育てをする過程で、子守歌等を作曲して歌っていたようだった。これは、私がインターネットを使い始めた結婚後に知ったことで、若いうちはハチャメチャなようでも、親ともなれば常識的になるのだと感心したことを覚えている。
その後は、ハンブルクで学校経営をしているとか。それでも、孫世代の若者が1980年代のネーナの音楽をリバイバルとして楽しみ、今や還暦過ぎたネーナは、まだ圧倒的な人気を誇っているようである。これは学生時代に予想していた以上の成果ではある。
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(https://www.facebook.com/ikuko.tsunashima)
2024年11月9日投稿
Nena rockt den Kalterersee, Suedtirol Heute 24.07.2024
(https://www.youtube.com/watch?v=X2cerzTIfEY)
1980年代にドイツ語で歌うロックバンドとして大ヒットしたネーナ。
名古屋でのコンサートにも、友達と二人で行きました。
あれから40年経った今も、ネーナはドイツ語で歌っています。英語バージョンもあり、メッセージと意味が通じたので世界中に広まったのですが、やはりドイツ語で歌うからこそ、ノリがいいのだと思います。
彼女の話すドイツ語は、なぜか地方なまりもなく、とても聞き取り易いです。孫世代みたいなティーンにも人気が持続している点、やはりネーナはネーナですね?二十代の頃と、あまり雰囲気も変わっていません。
(https://x.com/ituna4011/status/1855118543488270460)
Lily2@ituna4011
(https://youtu.be/GevgbRwaoas?si=i243EBsqagVeZmqp… via @YouTube)
気さくでお茶目なネーナ。
2:21 PM · Nov 9, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855129522951405840)
Lily2@ituna4011
Nena – Question Mark – 1982
(https://youtu.be/rfZrUjG5Kuk?si=CLQUab6oUZK21qQT… via @YouTube)
これは英語でも聴きやすいネーナの曲。懐かしい限りです。
3:05 PM · Nov 9, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855130464400605669)
Lily2@ituna4011
Nena – Nur Geträumt
(https://youtu.be/QGujFCJf0GY?si=Aw71tu_f3mD7BZXw… via @YouTube)
こちらはドイツ語の方が断然いい。『夢を見ただけ』です。
3:09 PM · Nov 9, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855131379962466660)
Lily2@ituna4011
ドイツ語のオリジナル版はこちら。やはりこちらの方がいいですね。
(http://youtube.com/watch?v=cvUuyGgvBaI)
3:12 PM · Nov 9, 2024
(https://https://x.com/ituna4011/status/1855134303937871920)
Lily2@ituna4011
NENA | Rette mich [1984] [Musikvideo]
(https://youtu.be/OKhsJ_tywQs?si=4lX9nH_70AevE04E… via @YouTube)
40年以上経った今でも放送大学でドイツ語の授業についていけるのは、ネーナのおかげだ。この曲もドイツ語の方がノリがいい。「助けて!」の意味。
3:24 PM · Nov 9, 2024
(https://https://x.com/ituna4011/status/1855136763741978659)
Lily2@ituna4011
NENA | Lass mich Dein Pirat sein [Official Music Video]
(https://youtu.be/7auhJne9yHA?si=wuzXIaY4TrJpRwfX… via @YouTube)
これも1980年代の懐かしい曲。ドイツ語の喉音が効いていて、ネーナにぴったり。
3:34 PM · Nov 9, 2024
(2024年11月9日転載終)
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私が中学生から大学1年だった頃までに流行した軽音楽は、今の低迷した日本社会にとって、元気づけにはうってつけだ。いわば、精神面での回春剤のようなものだ。
なぜならば、当時の日本は、敗戦国だったのに経済成長が著しく、世界中で注目を浴びていたからである。だからこそ、NENAも日本ツアーで名古屋までコンサートに来てくれたのだ。
(2024年11月9日記)(2024年11月10日一部修正)
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2024年11月10日追記:
上記の内容は、18歳の時に何枚か購入したLPレコードの説明や一冊だけ買った軽音楽向けの雑誌に書いてあったことの記憶等に基づく。
現在は英語のインタビューもあり、日本語でブログを書いている人も何人か見つかり、その後のネーナの様子がよりわかるようになった。
彼女は英語よりもドイツ語で歌いたいらしい。また、クレジットカードを使いたくない等、いかにもドイツ人らしい頑固さ、後退した抵抗感があって面白い。
今でも当時と変わらぬすらりとした体型だが、実は二度の結婚で五回も出産したようで(2024年11月11日訂正:双子を産んでいるので計四回)、お子さんの一人は11ヶ月で死亡したものの、65歳の現在、四人のお孫さんまでいるとのこと。 また、ネーナ・バンドの一人だったカルロという男性は、2002年に50歳で病死されたという。このカルロさんの詩のような言葉が歌詞となり、『99の風船』という世界的大ヒットの曲に繋がったのだから、彼なしにネーナはあり得なかったことだろう。
そもそも、10代後半の時、母親に突然、ベルリンの愛人ができたことから、引越して一緒にベルリンで暮らすようになったという。この話は、1980年代には巧妙に(?)伏せられていた。当時のベルリンは、周囲を社会主義圏の東ドイツに囲まれた陸の孤島と呼ばれており、「貧しくて汚らしい街」だと言われていた。だが、ネーナにとっては「ワクワクするような素敵な街だった」とのこと。
尤も、冷戦の最中だったことから、あの重苦しく寒さの厳しい北ドイツのベルリンは、堅苦しいドイツの保守的な文化から抜け出すには、さまざまな刺激があったことだろう。そして、大ヒットした『99の風船』は、当初は決して反戦歌の意図がなかったとはいえ、結果的に「ドイツ語で歌うベルリン出身のロックバンド」という売り出しには格好の条件だったと思われる。
ベルリンの壁が崩壊したのは、1989年11月9日、私の誕生日であった。昨日が35周年記念日ということになる。
私にとっては、昨日は満59歳の誕生日で、暦の上では還暦ということになる。
従って、ベルリンの壁を振り返るのに、ネーナの思い出と現在に耽ったことは、期せずして意味のあることではあった。
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1999年8月、主人と私はベルリンを訪問した。主人は既に若年性PDの診断を受けて10ヶ月程経過していたが、まだ薬も不要だった。頻繁な主人の海外出張で貯めてあったマイレージを消化する目的もあって、夏の休暇にドイツとスペイン(マドリードとトレド)を1週間ほど旅行することにしたのだ。
ルフトハンザ航空では、マイレージのおかげでビジネスクラスにグレードアップでき、実に快適な旅だった。
ベルリンはミュンヘンとは異なり、硬直化した態度の白人ばかりで、我々はいかにも「お上りさん風のアジア人」だった。だが、実は主人の方が学会出張等で欧州には慣れていた。イタリアやスイスやフランス等にも滞在経験があったらしい。ドイツ語は、大学時代に私と同じシンチンゲルの辞書を使って単位を履修していた。
一日観光バスのような二階建てバスに乗り、白人客に混じって二人でベルリンの主だった場所をぐるりと見学して回った。ベルリンフィルが演奏するコンサートホールも、初めて目の前を通った。フリードリッヒ二世国王の記念教会は、尖塔が爆撃で破壊されたままの姿だった。
ブランデンブルク門の前では、しばしバスから降りて休憩時間ということだったが、ナチの軍隊がここを通過した光景を思い浮かべていると、主人が「そこに立ちなさい」とカメラを向けて撮影してくれた。それまで映像の中でしか見たことのなかった歴史的な場所に、この自分でさえ自分の足で立つことができたなんて、信じられない程、感激した。
次の日には、まだ一ヶ所だけ残されていたベルリンの壁を見に行った。ペンキの落書きは、テレビや本で見ていた通りだった。商魂たくましく、壁の破片を売っている店もあった。
それから、チャーリー・チェックポイントの資料館を見学した。また、本で読んだことのある、東独からベビーカーのようなスーツケースに入れた子供と一緒に、かろうじて無事脱出できた女性の写真と同じ地下鉄の上り階段出口に立ってみたりもした。ベルリンの地下鉄は古くてごつく、ガタガタと音の鳴る動く鉄の箱といった感じだった。日本の方が、遥かにスマートで快適にできていると実感した。
行きたかった場所に確実に行けたのはよかったが、ベルリンの壁を実際に見たことで疲れが出たのか、私は発熱した。主人は「知恵熱」と呼んで笑っていたが、会社で用意されていた出張用の薬袋から解熱剤を出してくれ、近くのバーガーショップでパンやオレンジジュースを買ってきてくれたりした。
ドイツ語そのものは、文通友達もいた私の方が知識はあったはずなのだが、主人の方が店での交渉等、遥かに上手だと思った。
あの時、思い切って欧州旅行に出かけられて本当によかったと思う。今、記念すべき自分の誕生日を一人で静かに過ごしながら、(あの病気にさえ罹患していなければ、主人は私とずっと一緒だった)と思い出を塗り重ねているからだ。
(2024年11月10日記)
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(https://x.com/ituna4011/status/1855497390800941233)
Lily2@ituna4011
https://youtu.be/vCNDzEC_LtU?si=CTgVIcZ6QN_R3reS… via @YouTube
フランスに来てドイツ語でも歌っているネーナ。時代は変わった!
3:27 PM · Nov 10, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855499832636702816)
Lily2@ituna4011
https://youtu.be/9ROH41vP5tc?si=2Jfrf1WnJXZAK0wq… via @YouTube
www.youtube.com/watch?v=9ROH41vP5tc
Nena – Wie es zu “99 Luftballons” kam | Willkommen Österreich
Feb 28, 2018
Nena erzählt, wie es zu dem Hit “99 Luftballons” kam. Sie und ihre Band wurden 1983 mit diesem Lied international bekannt. Außerdem erklärt die Sängerin, auf welch seltsame Art sie entdeckt wurde.
おもしろいインタビュー。 ドイツ語の聞き取り練習にもいい!
3:36 PM · Nov 10, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855502383541092615)
Lily2@ituna4011
40年前とあまり変わっていない。あの頃はインタビューでは小さめの声だったが、突然、面白いことを言って大声で笑い出すところは、当時も今も変わらず。1984年の日本の軽音楽雑誌は大変熱心で、私が質問の葉書を出すと、「ロック音楽は通常英語だが、ネーナはドイツ語の為に通訳探しに困っていた」と。
3:46 PM · Nov 10, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855503352806961240)
Lily2@ituna4011
日本のエピソードも出てきますよ。
3:50 PM · Nov 10, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855507140410024341)
Lily2@ituna4011
1984年の来日インタビューでは、日本人のファンの為に英語でも話してくれていた記憶があります。世界的にヒットしたために「最近では英語のレッスンが欠かせないのよ」とも言っていて、その頃の私は(ドイツ人でも英語の勉強をするんだ)と思った次第。
4:05 PM · Nov 10, 2024
(https://x.com/ituna4011/status/1855509032435642638)
Lily2@ituna4011
テレビのインタビューでは、„Deutsch macht Spaß!”と言い出したメンバーがいて、ネーナが大笑いしていたことを今思い出した。NHKテレビのドイツ語講座のタイトルだった。
4:13 PM · Nov 10, 2024
(2024年11月10日転載終)
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2024年11月13日追記:
(https://x.com/ituna4011/status/1856597463156600908)
Lily2@ituna4011
https://youtu.be/rrB9ehdmxkY?si=fJqcFhhPe58mJUcj… via @YouTube
これもドイツ語を覚えるにはノリのいい曲。懐かしい限り。1980年代はよかった!
4:18 PM · Nov 13, 2024
(2024年11月13日転載終)