(https://twitter.com/ituna4011/status/1785287494071984221)
Lily2@ituna4011
疲れます。
9:38 PM · Apr 30, 2024
(2024年5月1日転載終)
。。。。。。。
(https://twitter.com/ituna4011/status/1784577506697527518)
Lily2@ituna4011
いくら正論であっても、もう少し戦略が必要か、と。 応援ツィッターを一方的にブロックしたり、UNRWA問題を日本で指摘したのは自分だけだと強調したり、20年も前に既に大学内で発生していた公の事柄を無視したり等、世間では通りません。一般向けの本が売れたからといって、選挙も同じとは限りません。
10:36 PM · Apr 28, 2024
(https://twitter.com/ituna4011/status/1784578582439956767)
Lily2@ituna4011
第一、事実に悖るからです。そして、失礼でもあります。「選挙に勝つ」には、そういう基本的なことも全部クリアしてからですよ。
10:41 PM · Apr 28, 2024
(https://twitter.com/ituna4011/status/1784691041112920433)
Lily2@ituna4011
もっと戦略を練っていただきたかったです。あれでは、私なら投票できません。失礼ながら、過去の事実を無視して内輪で突進されているからです。 もっとスタッフを増やして、ウェブ情報や過去論文をしっかり分析していただきたいです。 有本さんも、発言の一部に私の経験とは異なることがありました。
6:07 AM · Apr 29, 2024
(https://twitter.com/ituna4011/status/1784721369126813859)
Lily2@ituna4011
パッと判断されて、間違った方向に振り分けられたら、こちらはたまったものではありません。怖いことです。
8:08 AM · Apr 29, 2024
(2024年4月30日転載終)
。。。。。。
日本保守党から東京15区の区議員補欠選挙で、急遽突撃のように出馬を決めて落選したイスラム研究者の飯山あかり氏について。
「組織票もないのに得票できた」という肯定的な見方もあるが、私は違う見方をしている。
少なくともイスラム研究で東大博士号の権威を自負されている上、あそこまでYou Tubeで毎日おもしろおかしく内部告発のように発信していて、一般向けのイスラム本も売れているならば、ある程度まではいくだろうと予想していた。但し、本当に政治家として転身するならば、あまりにも短絡的で危ういと思っていた。
その点、昔の自民党や今の立憲民主党は、政策は別としても、さすがに選挙対策を練り、時間をかけて人材養成するノウハウを兼ね添えてはいた、と言える。
東京15区には行ったことがないが、現実に暮らしている人から話を断片的には聞いていた。あの辺りは住開発が進んで暮らしやすい反面、比較的、立憲民主党系の考え方が広まっているのではないだろうか?少子化時代には、助産婦(であっていただきたい)や保健師(男性の「保健師」は今まで見たことがない)等のような肩書が案外モノをいうのかもしれない、という点は新鮮だった。東京15区とは、元格闘家や女性防災士や冒険家等、おもしろい肩書の人々が立候補している土地柄であった。
。。。。。。。
新しく立ち上がった日本保守党の動向について、昨年秋頃からYou Tubeと本(数冊)でフォローしていた。
(http://itunalily.jp/wordpress/wp-admin/post.php?post=5913&action)
2023年11月14日付 「日本保守党・中東情勢その他」
(http://itunalily.jp/wordpress/wp-admin/post.php?post=6724&action)
2024年3月6日付「日本保守党その後」
(http://itunalily.jp/wordpress/wp-admin/post.php?post=7206&action)
2024年4月22日付「イスラム小話と電子空間」
(リスト終)
。。。。。。。。
というのは、1990年代初頭からの自分自身のマレーシア研究をどうまとめていくか、毎日のように気になってかれこれ30年程。2004年から3年間、同志社大学神学研究科で私の直属の上司であったイスラミストのハサン中田考氏とも対談(対決?)本を出し、京都時代には評価の高かった中東イスラム研究者の池内恵氏を糾弾し続けていた飯山陽(飯山あかり)氏のことが、気にはなっていたからである。
ところで、2022年8月27日に、私は伊丹市立図書館(ことば蔵)の地下1階多目的室で開催された博物館友の会例会で「相互理解か宗教的不寛容か?」と題して研究発表をさせていただいた(2023年3月3日付「博物館『友の会だより』古稀号」(http://itunalily.jp/wordpress/wp-admin/post.php?post=4170&action))。
これは二度目の研究発表で、当時のN会長さんからのご依頼によるものであった。(余談だが、今振り返ってみると、放送大学大学院の毎月のゼミが始まって4ヶ月目だったのに、よくもこんな発表ができたものだと、我ながら時間管理に呆れ返る。)伊丹市内でもいつの間にか増加している外国人労働者の宗教的背景について、我々住民側がどの程度、本当の理解をした上で受け入れて「共存」しているのか、マレーシアでのリサーチ経験を題材に、注意を喚起したものである。その際、イスラム理解の一手段として、飯山陽さんの本を一冊紹介して出席者全員に回覧していただいた。
その責任もあり、今回の東京15区での補欠選挙のなりゆきを、断片的ながらも観察していたのである。
選挙結果については、初戦にしては善戦とも言われる第4位の落選。但し、今後も遠方から応援できるかと言えば全く逆で、正直なところ、(非常に疲れた)というものであった。最初から、プロの目で見ていれば当然の成り行きとも言えるのだろうが、私は政治に全く疎い。単に、かつて知り合いだったイスラム研究者との関連で、個人的な義務心や責任感から眺めていたに過ぎない。
気になっていたのは、強気の「正論」ではあっても一方的な話が多く、相手を立てるとか謙譲の美徳というものをまるで無視して突進する飯山さんの姿であった。そこがYou Tubeでは売り物にもなり、鬱屈した気分でいる若い層には受けていたのかもしれない。「学術界では差別され、排斥されている私」(美人であり、学歴も申し分なく、子持ち既婚者であることには、相当の計算と自負心が見え隠れしている)という立場で、「長年孤軍奮闘してきた」と主張。確かに、語りにくく、誤解されやすいイスラム事情に関して、何冊か出版されてきた一般向けの本は「わかりやすい」と評判で、よく売れていたようである。
しかし、「東大博士」がいつまでも非常勤だとか、正規の学術論文がなかなか通らないのは肩身が狭かったのであろう。猛烈な負けず嫌いから、「保守」イデオロギーの時流にうまく乗って世間に躍り出た、という印象である。事実、自分で開設した(のかどうかは不明だが)You Tubeでも「私は勝った」等と自ら語っていた。
この時点で、政治家に転身するつもりにしては「素人くさい」と感じさせられた。それが今回の結果となって表れている。
事実、昔のモロッコ時代には真っ黒に日焼けしていた写真が出ていた記憶があり、以前には煙草も吸っていたらしい話もあった。ご年配の良識的な教授がまだ御健在だった2003年の大学改革以前には、このようなタイプの女性は、大学の研究会や学会等では表立って出て来なかった。私よりも10歳年下だが、明らかに世代ギャップを感じさせる。
但し、もしも本当に研究者や言論人としての立場を捨てて、今後、政治家として身を立ててうまくいきそうなら、飯山さんにはムスリム移民やイスラム研究の学術界の左傾化を是正していただきたい、と願っていた。だが、今回の経過を瞥見の限りでは、主張項目が右か左かの違いだけで、根っこでは合わせ鏡のような同一性を感じた。むしろ、恐ろしさを感じる。
それは、下記のツィッター(X)にも表れている。
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(https://twitter.com/Jh8UrRhhDyIh1ud/status/1784890009298129157)
maku@maku94483
Apr 29
日本保守党の飯山あかり氏 記者「日本保守党と飯山さんの今後について教えてください」 飯山「自分の今後の政治活動については全く考えていない」「私は党の人間ではないので、党の方針を決める立場にない」 終わったら政治も日本保守党も無関係?なんのために出馬したんですか?
(https://twitter.com/Jh8UrRhhDyIh1ud/status/1784890009298129157)
風船の寅三郎@Jh8UrRhhDyIh1ud
この人に投票した人たちはこの言葉をどう受け止めるんだ? 「善戦した」とかいう評価もあるみたいだがそういった肯定的な評価も自分から台無しにしてる 百田もそうだがこういう自己のプライドを最優先し大義や信念が全く感じられない思考回路が滲み出ちゃってるので自分はこの人たちを支持できない
7:18 PM · Apr 29, 2024
(https://twitter.com/stonepony_japan/status/1784849458309792119)
うえの@stonepony_japan
この人に投票した有権者に対しての感謝の気持ちとかがあればこういう態度と発言にならないと思います。 目線をそらしながらしゃべるクセがありますが、嘘を言っているのを誤魔化す心理だと近所のおじさんのともだちの親戚の知り合いのフォローワーさんが言ってました。証拠はないけど。
4:37 PM · Apr 29, 2024
(https://twitter.com/SeiraTakeshita/status/1784859903737336048)
せいらママ@SeiraTakeshita
同じく落選した他党の候補は翌朝から辻立ちして一から政策訴えるとこから始めてますけど、この人は全くその気は無いってことですね ホントよかった! 勢いだけでこんな人が選ばれなくて。
5:18 PM · Apr 29, 2024
(https://twitter.com/daimaki3/status/1784864145843630395)
phi@daimaki3
がんばりましたがチカラ及ばず、すみませんでした。 だけでいいのに、私は研究者ですから、とか要らないな←じゃなぜ立候補?とか詰められる呼水撒くのやめればいいのに。ていうか研究の場に戻れるのかな、あんだけ四方八方敵にして、と感じております。
5:35 PM · Apr 29, 2024
(https://twitter.com/BodhitreeKusha/status/1784865623316582652)
菩提樹 -Bodhitree-@BodhitreeKusha
飯山氏本人は自身を在野の研究者であると自覚しているはずなので、党幹部になってしまったら研究者の独立性が失われてしまうと一応は考えているのかもしれない。あとは、ただ単に党の運営に関わるのが面倒なのかも。国会議員になって、劣等感の対象の学会の学者を見返すことはしたかっただろうけども。
5:41 PM · Apr 29, 2024
(https://twitter.com/v4KWounBfhEpyDz/status/1784893489198633042)
中平隆夫@v4KWounBfhEpyDz
そうそう、負けましたが自分に投票してくれた方がいる訳ですからね。 誰が投票してくれたのかは特定出来ませんが、色々なところにお礼に行ったり、不特定多数の人に感謝の意を伝えたり。それが次回立候補した際に繋がっていくでしょう。 嫌悪感を持たれるか、好印象を与えれるか。雲泥の差ですからね。
7:32 PM · Apr 29, 2024
(転載終)
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(https://twitter.com/ituna4011/status/1785286619320512640)
Lily2@ituna4011
ネットだけの人気に限界も…一枚岩ではない日本保守党の将来-岩盤保守の内情【衆院東京15区補選】(古谷経衡) #Yahooニュース https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2968cce475c2c18b5435e61e3ec8053da9ef3b49…
← この分析は私見に最も近い。
9:34 PM · Apr 30, 2024
(転載終)
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古谷経衡氏については、2016年頃だったか、主人が「このお兄ちゃん、見かけはあんな感じだけど、本の中身は割としっかりしているね」と新書を買ってきたことがあった。その頃は、「左翼も右翼もどっちもこっち」という醒めた見方をする印象だった。もともと、左派リベラルがメディア上では席捲していた頃に、保守の担い手としての若手論客で登場したかのような記憶があるが、それほどよく知っているわけではない。今では、いつの間にか左派に近い立場に旋回しているとも他者によって書かれていた。
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(news.yahoo.co.jp/expert/articles/2968cce475c2c18b5435e61e3ec8053da9ef3b49?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR0xCvKIz0wfL3orGnOr797U-N3goNkEQ7qBfS5I9qJaNQJ4FrZqp8xgrXg_aem_ATwMNR9wI3AnS9Dk3jjrwXAKGmyuErPtocfmIYjeRyF_VJUdwijudGCm5qc6yQOKDX8FD-MyviSEuqXssOHVkW0R)
「ネットだけの人気に限界も…一枚岩ではない日本保守党の将来-岩盤保守の内情【衆院東京15区補選】」
古谷経衡(作家/評論家/一般社団法人 令和政治社会問題研究所所長)
2024年4月29日
東京15区補選は、我々にあまりに多くの示唆を与えてくれた。自民党と公明党が公認・推薦・支持する候補が存在しない場合、有権者の投票行動はどうなるのか―。従来「思考実験」でしかなかったものが、実際の小選挙区で実証されたのだ。
結果は既報の通りで、立憲民主党の酒井菜摘氏が当選した。落選したものの、2位につけたのは参議院議員を辞職して臨んだ須藤元気氏であった。選挙は当選した人の票分析をしていればそれで終わりというものではない。
重要なのは負け方である。(中略)
・日本保守党公認、飯山あかり氏の得票は4位
さて私が従前からきわめて注目していたのは、2023年9月に結成された日本保守党の公認を受けた飯山陽氏の得票動向である。結果、同党公認の飯山氏の得票は24,264票で4位に終わった。
日本保守党は岸田政権におけるLGBT理解増進法に反発する形で、作家の百田尚樹氏を代表として設立され、当初は「百田新党」などと呼ばれた。同党は有権者の約2%と推計される、いわゆる「岩盤保守」の一部から絶大な支持を得る形で、今次東京15区補選で初めての国政選挙を戦うことになった。
ネットでは主にX(旧ツイッター)で #日本保守党 #飯山あかり が連日トレンド入りし、その盛り上がりは公示前からすでに最高潮にあったといってよい。また同党支持を明確にする『HANADA』などの保守系論壇誌も、毎号日本保守党への全面支援を明確にする紙面構成で、雑誌媒体もこれに加勢した。
日本保守党が結党して約8か月。乾坤一擲の大勝負に、日本保守党は岩盤保守を巻き込みながら臨んだのである。その結果として飯山氏の4位落選をどうとらえるのかが、本稿の主目的である。
・日本保守党結党に至る前史をふりかえる
東京15区の岩盤保守の動向を分析する前に、日本保守党が今次選挙に至る前史を簡単に紐解きたい。(中略)
同年11月には、岩盤保守のプラットフォーム的存在であったネット番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』が突然終了となる。背景には運営会社であったDHCがオリックスに買収されたことで、オ社側のブランドイメージへの配慮があったと思われる。
このとき、同番組の二大看板であった作家の百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏はすぐさま『ニュースあさ8時!』(略称・あさ8)の配信を開始する。一方、『真相深入り!虎ノ門ニュース』の旧スタッフらが中心となって、翌2023年3月には『帰ってきた 虎ノ門ニュース』が事実上の後継番組としてネット配信がスタートした。
・日本保守党は「岩盤保守層」を固めきれていない~岩盤保守の内部分裂
実は現在、岩盤保守界隈には百田氏らが代表を務める日本保守党と、それに反目するグループが存在する。便宜上、前者を百田派、後者を反百田派とする。(中略)現在、反百田派の中心的存在とみなされているのは、経済評論家の上念司氏、政治アナリストの渡瀬裕哉氏、元早稲田大学教授の有馬哲夫氏、経済評論家の渡邉哲也氏、ほかに一部の政治系ユーチューバーなどであり、これに最近ではその発言がヘイトスピーチとされ、訴訟になっている大阪府泉南市議会議員の添田詩織氏などが加わっているとされる。さらに中堅から比較的新人の保守系言論人や文化人などの一部も反百田派に親和的な姿勢を見せており、反百田派は決して小さいグループではない。(中略)
本稿冒頭に、「(日本保守党は)有権者の約2%と推計される、いわゆる「岩盤保守」の一部から絶大な支持を得る」と書いたが、あえて”一部”と留保したのは、日本保守党を巡ってすでに岩盤保守内部で分裂が起こっているからだ。(中略)
つまり日本保守党は岩盤保守の全部を代表するものではない。当然岩盤保守の圧倒的大多数が日本保守党を支持しているわけでもない。(中略)
現在の勢力関係では、百田派が主流で、反百田派が非主流・傍流ということになるが、それぞれ各個人に固定ファンがいることを考えると、私の感触的には主流派7対非主流派3くらいというところではないか。
・保守系論壇誌も日本保守党を巡って温度差
さて以上のような岩盤保守内部の分裂を受けて、日本保守党を巡る保守系論壇誌の論調も微妙に異なっている。前掲した『HANADA』は百田氏や有本氏と伝統的に距離が近く、紙面において全面支援を明確にしている一方、『WILL』は原則支援はするものの全面的というほどではなく、やや距離を置いている印象である。他方、保守論壇誌の老舗である『正論』は是々非々ではあるが、基本的には応援する、という風に分かれている。
特に『HANADA』と『WILL』の日本保守党に対する論調の違いは、2016年に編集方針の違いなどから当時『WILL』の編集長であった花田紀凱氏が版元であるWAC社の鈴木隆一社長から解任されたため、編集部員の一部を伴って飛鳥新社に移籍し、新雑誌『HANADA』を創刊して分裂したことが影響していると思われる。(中略)
『HANADA』が日本保守党推しなら、『WILL』はそこまではいかない、という温度差の背景にはこのような確執があると予想されるが、そこで登場してきたのが今次補選で立候補者となった飯山陽氏である。飯山氏はイスラーム研究者としての実績と、鋭敏な野党批判、進歩的メディア批判で知られ、岩盤保守界隈ではここ数年知名度がにわかに上昇してきた人物である。
この界隈に疎いクラスタからすれば「無名」と映るが、飯山氏の界隈での知名度は充分であった。飯山氏はイスラーム研究という、岩盤保守界隈にはなじみの薄い分野から頭角を現してきており、一方で保守界隈での言論実績はまだ数年というところでもある。よって基本的には前掲した反百田派からも、これまでの言動に基づく来歴を勘案して、大きな批判にさらされる理由は薄い。つまり飯山氏は百田派と反百田派のブリッジとして適役というわけだ。
日本保守党初の国政選挙に、百田氏や有本氏ではなく飯山氏が公認候補者に選ばれた背景には、このような岩盤保守内部の”複雑な事情”がうかがえよう。
・日本保守党公認、飯山あかり氏の基礎票は10,000票~12,000票
このような前史を踏まえたうえで、同党公認の飯山氏の得票24,264票の分析に進もう。東京15区を構成する東京都江東区における有権者数は約43万人。これに対し素直に(前掲推測の通り)2%を掛けると同区における岩盤保守のおよその実数がわかるのである。すると、
430,000×0.02=8,600
が江東区における岩盤保守の推計値であり、この8,600票がそのまま飯山氏の基礎票になるはずだが、私の推計によると岩盤保守は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)に大きく集積しており、2%というのは北海道から沖縄までの全国平均であるからこれよりも上位(3%~)に推測しなければならない。仮に3%として計算すると同区でのそれは12,900票になる。3.5%と推計すると15,050票になる。4%とすると17,200票だが、これはやや高すぎるであろう。
しかし前史で述べたようにそもそも岩盤保守が百田派と反百田派に分裂しているのだから、日本保守党は岩盤保守層の100%を掌握できているわけではないのだ。
そうすると雑駁な概算で、日本保守党が「身内票」つまり、岩盤保守票の最大推計のうち7割を固めたとして約10,000票~12,000前後というのが飯山氏の基礎票ということになる。結果として今次補選において飯山氏はこれの約2倍程度(約24,000票)を獲得した。有権者全体からすると、約5.6%を飯山氏は獲得した。
では氏の得票の24,264票から仮に10,000票~12,000票前後を引くとして、残りの10,000票強余りはどこから来たのであろうか。これはまさしく、自民党不在の選挙である本区特有の事情であって、自民党支持者の一部が流れたためである。
・自民党支持層のうち、約2割が日本保守党の飯山氏に流れる―飯山氏の得票を分析する
東京都選挙管理委員会によると、東京15区での全体投票率は40.7%の稀に見る低率であった。この背景は公明党支持者の棄権や、同区で問題となった選挙妨害等により、投票行為そのものへの無関心・政治活動への嫌悪などが影響したと思われるが、同委員会によると、期日前投票の割合は13.01%(不在者投票を入れると約57,000人)ある。江東区の有権者における投票者数は、選管発表により約175,000人である。よって投票日当日の投票者数は、
175,000-57,000=118,000
ということになる。NHKの当日出口調査によれば、このうち自民党支持と答えたものは、約24%である(下図)。とすれば、118,000×0.24=28,320 が自民党支持者の票ということになる。
朝日新聞の報道によれば、自民党支持者のうち、1割台半ばを飯山氏は獲得したという出口調査がある。一方時事通信社は、自民党支持者の23.5%が飯山氏に流れたとする。両者の真ん中ほどを取ってこれを2割とすると、
28,320×0.2=5,664
となり、約5,700票前後の自民党支持票が投票当日に飯山氏に流れたと推測される。このほかに無党派層の動向がある。前掲朝日新聞の報道によれば、飯山氏は無党派層(支持政党が特になしの回答)の約1割台半ばを獲得したとある。これを仮に15%とする。無党派層は投票者全体の約4割(前掲NHKの政党支持別割合に基づくと)ということになるが、こうなると118,000×0.4=47,200票である。これの15%とすれば、7,080票(約7,000)が飯山氏に流れたと類推することもできる。
また若干の期日前投票における自民党支持層からの流入も加味しなければならない。期日前投票の総数は選管によると約57,000票であるが、このうち約2割が飯山氏に投票(約11,000票)したとNHKが報道している。この多くは熱心に日本保守党を支持する岩盤保守が事前投票を行った結果とみるべきである。ここでは無党派層からの流入を7,000、期日前における自民党支持者からの流入を1,000として考える。
これらをすべて合算すると飯山氏の得票は以下のように分解できるのである。
12,000(岩盤保守の基礎票)+5,700(当日投票の自民党支持者の流入票)+1,000(期日前投票の自民党支持者の流入票)+7,000(無党派層からの流入票)=25,700
よって日本保守党公認候補の飯山氏が獲得した24,264票の、近似値になるのは自明なのである。当然、いかに政治的に熱心な岩盤保守層とはいってもその投票率が100%になるということはありえないから、25,700票からやや下がったところ、約24,000票でピタリとなろう。
・オール岩盤保守ではなかった日本保守党
つまり日本保守党は、本来の基礎票から別に10,000票強を自民党支持層などから「仕入れていた」と分析することができる。これは岩盤保守層における日本保守党の猛烈な盛り上がりに対照すれば、やや不振と言うべきではないか。(中略)
日本保守党はこうした「オール岩盤保守」であった次世代の党とはまるで事情が違っている。前提的に岩盤保守界隈の分裂がある以上、「身内の票」すら固めきれておらず、そして今次東京15区にあっては、自民党が不在という特殊条件が作用してもこの結果なのである。(中略)
自民党支持層のなかで政治的思想傾向が類似するのはあきらかに飯山氏のはずだが、その中で最も票が流れたのが「消費税全廃」や「原発再稼働慎重」を掲げた須藤氏であったのは興味深い。
これはひとえに、日本保守党が前述の理由により猛烈な「反岸田・反岸田自民」だからである。自民党支持層としても、手放しで飯山氏に助力することはできない情勢なのであった。結局、日本保守党は自民党支持層の受け皿になった、とはまったく言えない。
また無党派層から仮に前掲計算のごとく約7,000票が流れたとしても、それは自民党の公認や推薦候補が存在しないことを前提にしたものであり、昨今の無党派層に対する自民党候補者の食い込みを考えると、この部分についての将来にあっての弾力性は乏しいと考えてよいのではないか。
・日本保守党は次期衆院選挙で議席を獲得できるか?
インターネット上やSNSで日本保守党が連日取り上げられ、トレンドに飯山氏の名前が挙がり、街頭演説ではかなりの人だかりができたことは事実だ。しかし、現実的にはその中の何人が江東区の有権者であったのか疑わしい。ネットのインフルエンサー、特に特定の政治的クラスタで人気のある人物は、リアルの場になると局所的に多くの人々が集まり、まるで多数から支持を受けているように思えるが、それは錯覚に近い。
当たり前だが地域の人々と密に会話し、路地裏で政策を訴え、周知を図るという地道などぶ板しか勝つ道はないのである。ネットでの盛り上がりや人気だけでは、少なくとも小選挙区において優勢を確保することは難しい、という現実が改めて浮き彫りにされた選挙であった。
このような現状を考えると、今後も日本保守党が国政選挙の小選挙区において議席を確保することは極めて難しいと見るべきであろう。飯山氏は全体得票においての割合では14.2%であった。他の候補(今回で言えば乙武氏など)が立候補を取りやめ、日本保守党に一本化し、かつ自民党の公認・推薦候補が存在しなければ可能性はないわけではない。
しかしこれは理論上のお話であり、自民党が存在しない小選挙区という「きわめて特殊な」選挙局面は今後、そうないと思われることから、少なくとも来る衆議院総選挙での日本保守党の議席獲得は難しいであろう。参議院全国比例ならば、かつての参政党がそうであったように1議席の可能性は残されているが、前述したような「岩盤保守分裂」の背景にあってはその道のりは一筋縄にはいかないだろう。
むろん、現在百田派と反百田派に代表される岩盤保守分裂の状態が解消され、岩盤保守の基礎票をほぼすべて固めることができる統一候補が生まれるとすれば、議席獲得の可能性はないわけではない。が、私が観測するに両派の溝は相当深く、骨肉の争いは将来も継続されるとみている。
(中略)
結局、「ネットで影響力があることと、実際に日々を生活する人々の心を動かすのは別モノ」 という当たり前のことを我々に突き付けたのかもしれない。(了)
(部分抜粋転載終)
注:太字はLilyによる。
(2024年5月2日記)
…………
2024年5月5日追記:
(https://www.youtube.com/watch?v=lLPtswKkduE)
東京15区、負けたのは小池百合子!そして日本保守党、飯山あかり氏の4位をどう見る?
竹田恒泰チャンネル2
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May 4, 2024
#竹田恒泰 #竹田恒泰チャンネル #衆院補選
(https://twitter.com/ituna4011/status/1786963222417023360)
Lily2@ituna4011
竹田氏は優しい言い方をされているが、「選挙区でどういう人間関係を築いてきたか」が肝心。選挙区以外でも、過去20年の経緯を無視しては、いかにも失礼。ネット上でバズっていただけでは、4位で終わってしまう、という指摘は、良くも悪くも選挙制度の本質ではある。
12:36 PM · May 5, 2024
(2024年5月5日転載終)