まずは、過去ブログを。
・ 2022年3月8日「キリスト教の出版傾向」
(http://itunalily.jp/wordpress/wp-admin/post.php?post=2112&action)
・ 2023年2月9日「キリスト教書店の閉店続々」
(http://itunalily.jp/wordpress/wp-admin/post.php?post=4059&action)
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(参考)日本基督教団の公式HPから
教団紛争
2000年 7億1000万円売上
キリスト教信徒の人口大幅低下・高齢化・文字離れ・ネット直販の増加
2015年 3億4000万円赤字
2019年 3億1000万円赤字
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(https://itunalily.hatenablog.com/entry/20071029)
2007-10-29「読書の勧めと言葉の大切さ」
・キリスト教出版界はバブル絶頂期の1991年がピークで、大きな事典など高額商品が出版され、25億円を超える売り上げがあった
・2006年度の売り上げは17億円以下だ
・40年前に活躍していたキリスト教出版社が事業を中断
(例)日本YMCA同盟、聖文舎(ルーテル系)、ヨルダン社(バプテスト系)等
・日本の出版界そのものの低迷とも一致し、1996年を売り上げのピークとして、この10年間で、19%、5000億円落ちた
* 言葉の問題について
・いろいろな意味で言葉の「衰退」が問題になっている
・日常の日本語が今ものすごく貧しくなってしまっている。
・小さい時から、どういう言葉を聞いて、体験してきたかという、その人の「言葉の積み重ね」による。
・言葉というものには含みがあるということはとても大事
・読解力。「含み」が読み取れるかどうか。
・テレビの言葉を生活のなかにどう位置づけるかという知恵はないといけない。テレビとはやはり闘わなければいけない。
・分かる言葉ばかり聞かされているから、分からない言葉にぶつかって立ち往生する経験、「どうしようか」と思う経験をあまりしない。どうも周りのものが「分かりやすい言葉」を羅列していって、テレビなどもぱっと聞いてぱっと分かるという言葉だけで勝負していくと、ものを考えなくなるのではないか。
(部分抜粋終)
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ふと気になった日本国内のキリスト教書店の動向。私は、マレーシアに関する自分の研究テーマのヒントを探るために、1998年から2011年春頃まで、国内のキリスト教文献をかなり調べ回っていた。専門的な論文複写を複数回、東京は銀座にあった聖書図書館に依頼したこともある。
東京都杉並区西荻南にあるという「待晨堂」(https://www.taishindo-books.jimdofree.com)というホームページが検索から出て来た。業務内容は文書伝道支援で、「基督教書籍の新刊書・古書専門店」であるという。これによると、大まかには「1950年代-1970年代:書店ラッシュ」「1980年代-1990年代:書店改組」であったが、2000年から倒産や廃業が多発したようである。
このホームページを参考に、以下の年表を作成してみた。驚くべき年表が出来上がった。なお、『カトリック新聞』は今では直取引のみであるという。
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《略年表》(ユーリ作成)
(注:元原稿はきれいに並んでいるが、クリックして画面表示すると列が乱れていることに留意。)
・2001年 東京・福岡・北九州のヨルダン社が廃業
・2002年 長崎のキリスト教書店シオンが廃業
・2003年11月 (有)ヨルダン社が倒産
・2006年 熊本キリスト教書店が営業停止
・2008年8月 東京聖文舎(ルーテル派)が倒産
・2011年 西宮聖文舎が倒産
・2011年 堺キリスト教書店が閉店(1970年~)
・2013年6月 聖公会出版コイノニア社が業務終了
・2013年8月 沖縄エマオBOOKセンターが閉店
・2013年11月 エンデルレ書店が閉店
・2015年1月 京都ヨルダン社が日本聖書協会の傘下に
・2015年8月 ナルド社が廃業
・2016年3月 聖公会出版が解散
・2017年6月 日本聖書協会聖書図書館が閉館
・2018年6月 伝道文書販売センターが終了し日本キリスト教書販売(日キ販)へ。
・2020年3月 創文社が解散
・2020年3月 バイブルハウス南青山が閉店(2011年2月~)
・2020年12月 御茶の水・名古屋・金沢・京都・岡山・広島のクリスチャン文書伝道団(CLC)が閉鎖
・2020年12月 徳島キリスト教書店が閉店
・2021年7月 オアシス仙台店とライフセンター豊橋書店が閉店
・2021年9月 海竜社が倒産
・2022年3月 キリスト教図書出版社が廃業
・2023年2月 友愛書房が閉店
・2023年9月 北九州キリスト教センターと仙台キリスト教書店が閉鎖
・2023年12月 ライフセンター福岡書店が閉鎖
・? 年 北九州キリスト教ブックセンター・熊本キリスト教書店ハレルヤが日本聖書協会の傘下に
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・2010年12月 『恵みの雨』休刊
・2011年冬 『季刊 牧会ジャーナル』終刊
・2013年11月 『リバイバル・ジャパン』終刊
・2013年12月 『新・預言と福音』終刊
・2015年10月 『羊群』廃刊
・2015年11月 『現代と保育』休刊
・2016年12月 岩波書店『文学』休刊
・2017年夏 農文協『のらのら』休刊
・2020年10月 ハーベスト・タイム・ミニストリー『クレイ』廃刊
・2020年12月 日キ出版『説教黙想アレテイア』休刊
・2022年6月 婦人の友『かぞくのじかん』休刊
・2022年冬 『ミニストリー』終刊
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幼稚園の頃に馴染みのあった女子パウロ会やサンパウロ書店やドンボスコ等、今ではどうなっているのだろうか?
1980年代半ばの学生時代には、名古屋駅にあったCLCで立ち読みや購入したことがある。京大の荒神橋近くにあった京都ヨルダン社では本を買ったこともある。バイブルハウス南青山の会員カードを作ったこともある。2019年1月頃まで、キリスト教図書出版社から目録が毎年送られて来た。
婦人の友関連の雑誌は、1997年11月の結婚以来、2018年9月下旬まで暮らした島本町の町立図書館に置いてあったので、最初の頃、時々は立ち読みしていた。『説教黙想アレテイア』は、2004年から2006年まで同志社大学神学部で教えていた頃、神学部図書室に置いてあったので、びっくり仰天しながら立ち読みさせていただいた。
2003年7月に突如、同志社神学部の森孝一教授からメールが届いて、「是非ともここでマレーシアについて教えてほしい」と依頼されたことがきっかけで始まった同志社の仕事は、既にもう20年前のことになる。当時は、イスラムの話もさることながら、外側から見たキリスト教会や神学部のイメージと内情の相違に仰天の連続。何が何だかわけがわからず、研究者人脈も当世学生気質も不明なまま、混乱と緊張ばかり続いていた。
そこから、日本基督教団の実情を過去文献で調べ始めた。何だか社会党や共産党の主張にそっくりの言説を取る社会主義的傾向のある牧師や教授が多いこと、1969年前後には、大学紛争に絡んだ教団紛争で、牧師や神学生達がヘルメットとゲバ棒で戦闘まがいの暴れ方をしたこと等、恐ろしい話が綴られていた。
今でも続いているキリスト教系の出版社や書籍もあるようだが、読むに堪えない軽い内容も少なくない。翻訳書は、必ずしも英国やドイツ等で主流とされている学者ばかりが出版されているわけでもなさそうだ。そもそも、今では欧州のキリスト教は衰退して、イスラムが台頭している。
キリスト教は、日本にとって知っておくべき重要な宗教の一つであるが、もし真面目に勉強しようとするなら、西洋史の文脈が一番だ。あるいは、キリシタン関連や近代化との関係なら日本史の文脈で研究するのが妥当だろう。それから、中東のキリスト教に入って行くのが順当ではないだろうか?
私の知る同志社神学部の日本人神学生だった若者達は、キリスト教研究に落胆したか飽きたかで、ユダヤ教研究やイスラム研究に分散していった。
あるいは、イスラエル贔屓になって日々の情勢分析に没頭している若者層も出現した。
その隙間を埋めるように、中国や韓国等のキリスト教系の留学生や在日のクリスチャンが、日本語で論文を書き始め、研究発表し始めて10数年以上にもなる。
そして、キリスト教会は高齢化が進展し、信徒は70代以上のおじいさんやおばあさんばかりである、と10年以上も前に聞いた。
あちこちのキリスト教会の建物を見ていると、壁が剥げかかっていたり、看板に錆が入ったまま、修理もしていない様子が目立つ。こういう所で牧師をしている人々は、一体、どのように生計を立てているのだろうか?
戦前や戦後直後から1990年代まで、米国等からたくさんの支援金が日本のキリスト教界に流れ込み、表面的には繁栄しているようにも見えた。教会バザーの物品も、アメリカから送られて来たので、珍しい品はよく売れたそうだ。また、当時は国内では知られていなかった海外事情等も、キリスト教を通して知ることができた。
しかし、インターネットの発達によって、キリスト教文書の内容が判別できるようになった今、安易に紛れ込む人々は限定されているようである。
(2024年3月6日記)
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2024年3月6日追記:
《おまけ情報》
『キリスト新聞』(https://www.kirishin.com/2022/01/18/52244/)
キリスト教出版販売協会総会 幹事長に教文館・石川正信氏 2022年1月18日
キリスト教出版販売協会(幹事長・小林望=新教出版社社長)は1月7日、昨年に引き続きオンラインで総会を開き、2021年度事業活動および決算、22年度事業活動方針案および予算案を承認した。新年度の幹事社に新教出版社、日本キリスト教団出版局、日本キリスト教書販売(日キ販)、日本聖書協会、教文館、横浜キリスト教書店、(名古屋)聖文舎が、監査社に北海道キリスト教書店が選出された。
なお、総会では幹事長の選出に至らず、後日の臨時幹事会で、石川正信氏(教文館)が互選により幹事長に選出された。
(2024年3月6日追記終)
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2024年3月30日追記:
(https://www.facebook.com/ikuko.tsunashima)
2024年3月26日投稿
キリスト教系大学は、ますます経営が厳しくなるだろう。
聖トマス大学、恵泉女学園大学は既に閉鎖あるいは学生募集停止。
沖縄キリスト教短大英語科、茨城キリスト教大学、上智短大、西南女学院短大、北星学園短大等も昨年辺りから学生募集停止。
日本聖書協会の聖書図書館も閉鎖。
キリスト教書店も軒並み倒産か閉店。
戦後、アメリカを中心に日本人を内面から改造しようとして、多大な資金援助と教会建設と宣教師の送り込みをした結果が、これだ。
(2024年3月30日転載終)
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(https://www.luther.ac.jp/news/20240325-01.html)
ルーテル学院大学 2025(令和7)年度以降の学生募集停止について
大学関係者 各位
日頃より、学校法人ルーテル学院の教育・研究にご理解とご協力をいただいておりますこと、心から感謝申し上げます。
このたび学校法人ルーテル学院は、2025年度よりルーテル学院大学・大学院の学生募集を停止することを2024年3月21日開催の理事会において決定いたしましたので、ご報告申し上げます。
本学は、1909年に九州熊本で、牧師を養成するための日本路帖神学校として開学し、のちに東京中野に拠点を移し、1964年には大学認可を受け、1969年に現在の三鷹に移転しました。キリスト教的人間理解に立った対人援助の担い手を育てる大きな使命を掲げ、1976年には社会福祉、また1992年より臨床心理の分野における専門教育を実現してまいりました。「キリストの心を心とする」という建学の精神に基づき、少人数教育と実習教育を特徴とし、一人ひとりを大切にする教育によって、神と世に仕える人材を育て、送り出してまいりました。
しかし、近年の少子化傾向等の影響を受け、2022年度より連続して入学定員を大きく割る事態に至りました。このことに対し、教育体制を見直し、これまで以上に学生募集に力を入れ、経営的努力も重ねてまいりました。
また、極小規模の単科大学として、現在の教育体制を維持することを長期的な視点で検討・分析を重ねてまいりましたが、極めて難しいと判断し、更に大学教育存続のためのあらゆる可能性についても調査・検討を行ってまいりました。しかしながら、今後長期的に経営を継続することが困難と判断せざるを得ず、2025年度より学生募集を停止するという苦渋の決断をするに至りました。
今後、大学は2024年度の新入生も含めた全ての在学生が卒業に至るまで、ミッションステートメントに基づいて、学生一人ひとりの学びと学生生活の充実、将来に向けた取り組みに対する教育的使命を全うするべく、教職員一同、最大限の努力をお約束いたします。
全ての学生が卒業した後も、学校法人ルーテル学院は残り、日本ルーテル神学校の教育と研究を続けてまいります。大学の全ての卒業生に対しての成績、卒業など各種証明書の発行などについては、本法人がこれまでと変わらぬ対応を持って責任を果たしてまいります。
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
2024年3月25日
(2024年3月30日転載終)