(https://twitter.com/ituna4011/status/1679731684441493504)
Lily2@ituna4011
《今まで相手にしてもらえなかった医師を広告塔に》
2:56 PM · Jul 14, 2023
。。。。。。。
(https://twitter.com/ituna4011/status/1679811932596113408)
Lily2@ituna4011
アルツハイマー病治療薬レカネマブはどんな薬か理解しよう! ―患者・家族のための分かりやすい説明図― https://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/02f0545fac77901cc1129279931c952e… #gooblog
⇦ レカネマブは脳萎縮をもたらすのに、なぜ承認されたのか?
8:15 PM · Jul 14, 2023
(https://twitter.com/ituna4011/status/1680031326509084672)
Lily2@ituna4011
エーザイ認知症薬「レカネマブ」自宅で注射可能 米国で23年度申請 – 日本経済新聞 https://nikkei.com/article/DGXZQOUC119930R10C23A7000000/…
⇦ 脳の縮小副作用は?
10:47 AM · Jul 15, 2023
。。。。。。
(https://twitter.com/ituna4011/status/1679814964184498176)
Lily2@ituna4011
実際の経験では、女性医師は神経内科に向かないと思う。 例えば、神経学会の会合に背中を大きく開けたドレスを着て出席していた医師の写真を見たことがあるが、何を勘違いしているのか、誤診が気になる。 体力もないし。頭も….!
8:27 PM · Jul 14, 2023
(https://twitter.com/ituna4011/status/1679821548457443329)
Lily2@ituna4011
医師の女性枠のために、女子医学生の合格水準を下げている、ということはないか? そのように疑わせるような事例を経験した。
8:54 PM · Jul 14, 2023
(2023年7月15日転載終)
…………….
2023年7月16日追記:
(https://www.facebook.com/ikuko.tsunashima)
2023年7月15日投稿
今年の春のお彼岸に鶴舞にある名古屋大学医学部附属病院の周辺を散策いたしました。
Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
下畑享良 岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野
(https://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/de810a7037182f9100f520efd7b0f09f?fbclid=IwAR149MO2yFuC7xtsv0K3BfcMmNUny2VvlaRUvsCbTPCwF7dJoApA8ylYCkk)
「名古屋大学での講義と嬉しかった2つのこと」
2023年6月29日
(2023年7月16日転載終)
………………
2023年9月7日追記:
(https://twitter.com/ituna4011/status/1699315146542526778)
Lily2@ituna4011
要注目!
下畑教授は、以前から海外論文を引用して警告されていました。 素人ながら、私も同意いたします。
理由 統計的に有意だが、効果は小さい。
もっともらしいが、証拠不足。
3:54 PM · Sep 6, 2023
(https://twitter.com/ituna4011/status/1699315383394849165)
Lily2@ituna4011
副作用リスクを著しく過小評価。 何故、日本でも?
3:55 PM · Sep 6, 2023
(https://twitter.com/ituna4011/status/1699315863223226624)
Lily2@ituna4011
下畑教授の医学者崇敬の旅ブログは、特に私の好みです。
3:57 PM · Sep 6, 2023
(https://twitter.com/ituna4011/status/1699325524571767021)
Lily2@ituna4011
論文でも、統計的に有意、という結論で終わっているものを神経内科学で見かけた。 臨床の効果の方が重要なのに。
4:35 PM · Sep 6, 2023
(2023年9月7日転載終)
……………
2024年5月4日追記:
(https://agora-web.jp/archives/240503084425.htm)
「わが国の認知症対策の二つの大愚」
2024年5月4日
五十嵐 直敬
昨夏はわが国認知症対策について大きな禍を遺しかねない二つの出来事があった。認知症基本法成立と超高額バイオ薬の承認である。
筆者は90年代から訪問看護ステーション所長や認知症グループホーム等の統括施設長として、認知症ケアに永らく携わってきた。2000年の介護保険制度発足時には横浜市介護認定審査委員として千数百人の認定に携わり、一方で先端バイオ創薬ベンチャー役員として特に神経領域の遺伝子治療や再生医療関連の先端研究調査にも携わってきた。
認知症は治癒しないが、ケアが良ければ穏やかに楽しく暮らすことができる。またリスク因子が明らかであり予防もある程度は期待できる。国や行政はケアと予防、認知症対策の現実解に目を向けるべきだ。
一番目の愚は、認知症基本法から「予防」の文言を外してしまったことだ。
認知症基本法は、認知症一千万人時代に国や自治体の為すべきことを明確に定める根拠法となる。特に認知症のリスク因子が疫学的に明確になっている今、予防そして発症早期から重症化、看取りまでのシームレスな施策を構築することは重要である。
脳卒中はかつて死因1位の国民病だったが、予防啓蒙により死因3位以下に後退した。予防啓蒙は重大疾病の減少に確実に寄与する。認知症介護の困難さと介護者の重い負担を考えれば、その予防は重要である。
ところが今回の法案策定にあたり「予防」が条文からほとんど削除された。「予防とは、なってはいけない悪い病気のようではないか」と「大きな声」があったという。そして政権与党はその大きな声に屈した。反知性的である。
認知症リスク因子はこれまで数十年の地道な統計、疫学的研究でほぼ明確になっている。認知症手前の軽度認知障害(MCI)なら、適切なケアと本人の努力で改善し得ることも知られている。認知症基本法から「予防」が外れると、予防的施策の法的根拠がぐらつき、現場での予防的施策が行われ辛くなりかねない。
二番目の愚は、超高額バイオ薬レカネマブを認知症治療薬として承認したことである。言い換えると、超高額の医療費負担が国民特に将来世代に課される。
レカネマブは抗体医薬である。認知症患者の脳内にβアミロイド蛋白が蓄積している、それが原因に違いない、だからそれに抗体を取りつかせて免疫に認識させれば除去できて治るだろう、という「βアミロイド仮説」に基づく。抗体は化学合成できないのでバイオテクノロジーを駆使して製造するため、超高額になる。
ところがβアミロイドが蓄積しても「ボケなかった」例も多数知られているし、一昨年βアミロイド仮説の原点となった論文の捏造疑惑がサイエンス誌で提起された。超高額の抗体医薬を開発するエビデンスが揺らいでいる。なお本稿推敲時に先発薬アデュカヌマブ撤退の報があった。
βアミロイドの蓄積は40歳代には始まっていると言われる。では、そんなに早くボケていないときから予防(!?)として年400万円もの薬を死ぬまで月2回点滴し続けるのか?
日本人の平均寿命は男女とも80歳超えているから、40歳から40年、かける400万円は1億6000万円である。サラリーマンの生涯年収は2億6千万円ほどという、その大半を費やすことになる。実際には高額医療費制度で自己負担は最大月8万円ほど、しかし逆に「他人様がほとんどを負担」する、そんなことが持続可能なのか。
統計予測のひとつによれば、今後最大で65歳以上の約半分がボケると予測されている。後期高齢者増加のためだ。3000万人が年400万円としたら年120兆円、国家予算を上回りGDPの1/5を超える。しかしその効果は「認知症進行を7か月遅らせる」程度でしかなく「どのみちボケる」。
ちなみにレカネマブの薬価が一人年間298万円と報道されているが、これは体重50Kgの場合である。今の日本人としてはずいぶん小柄で考えにくい。体重60Kgだと必要量が増え330万円、70Kgなら385万円になる。我が国の全産業平均年収が400万円台前半なので、いまどき低所得化が言われる若い世代一人分の年収を超える。
これら二つには共通する病根がある。「治癒妄想」とでも言うべき発想、わが国に世界的にまれな「寝たきり老人」を作り出した盲目的延命医療と共通する病根である。つまり医療によりいくらでも生きられる元通り治るというカンチガイ、根拠のない希望である。
老人医療費無料化は田中政権時に制度化された。高度成長と医学医療の発展そして国民皆保険制度により国民は等しく医療の恩恵を受け、どんどん寿命は延長した。ところがその結果増えたのがガンであり認知症である。ゆえにこれらは「長生き病」と言われることもある。長寿による老化が原因だからだ。
ガンは今や5年生存率が平均60%を超え、「ガンなどでは簡単には死なない」時代になった。ガンは体のパーツの病気だから、パーツをどうにかできれば良い。しかし認知症は、全ての活動を制御し人格や心の座である脳が壊れる。それを回復させる方法は未だ無い、つまり治せない。長ければ10年以上に及ぶ罹病期間でわずか7か月進行が遅れても、大勢に改善は無い、むしろ罹病期間「苦しむ期間が延びてしまう」。
翻って、わが国では介護保険制度発足以来、認知症グループホームが制度化されている。一棟9人までの小規模なホームで、手厚い介護を提供する。この規模なら住み慣れた町内に普通の住宅のように整備できる。
筆者は認知症グループホームの統括施設長経験(とその専門資格)があるが、まさに「認知症ケアの切り札」と実感した。入居者は自宅で生活できないからこそ入居しているのだが、皆、微笑んでときに冗談を言いながら、穏やかにのんびり過ごしているのだ。
忘れ得ぬ衝撃的な経験がある。ある日いつものようにホームの巡視(徘徊?)に向かうと、周りを散歩していた(徘徊か散歩かの違いはさて?)入居者の婆ちゃんが私の腹を見てニヤニヤと一言「あんた、何か月だい? 生まれたら抱いてやるよ、イッヒヒ」。ぐうの音も出なかったが、後で大笑いした。
認知症は人間関係や社会システムも含めた環境との関係性、反応という側面がある。それを専門的な介護により支えられればケアすれば、認知症でも笑って暮らすことができる。その担い手こそ、専門的知識技術を持つ介護福祉士ほか介護専門職である。
ところが介護職は薄給が災いし昨年減少に転じた。需要が急増するのにである。介護職の平均年収は夜勤し身を削っても300万円台であり、全産業平均400万円台前半に及ばない。しかしレカネマブ一年分の費用で一人一年間常勤雇用できる(正確には少し足りない)、そして一人の介護職は複数の認知症患者に「穏やかに暮らす」ことをケアできる。
認知症グループホーム等の人員基準は入居者3人に対して介護職1人なので、介護専門職1人は3人の認知症患者をケアできる、レカネマブの3倍コスパが良い。ちなみにレカネマブには微笑みや冗談はついてこないし、楽しい美味しい食事タイムもついてこない。それらは人である介護職こそのオプション、人間らしい営みである。
レカネマブを使っても結局は認知症が悪化しケアが必要になるから、コスパが良いのは「レカネマブ(代)+介護(費)=7か月罹病期間延長」と「専門的介護(費)のみ」どちらか、自明である。
統計上90代の2人に1人は認知症になり、わが国実質寿命は90歳近いから、両親の片方がボケて当然、運が悪ければ両方ボケる。しかし認知症はある程度の予防が医学的に期待できる、ならばまず予防すべきだ。それでも認知症になる人は居る、そのときは社会として適切な医療とケアを提供すべきだ。
認知症は現状治癒できないから、そのケアはホスピス・緩和ケア同様に看取り医療とほぼ同義となり、治らずとも生活の維持とQOLの向上を図る営みになる。
このまま長寿化が進めば、日本人のほとんどが「ボケて死ぬ」時代になる。そのような時代に備えるには「町内で暮らし続けられるグループホーム」そしてその担い手である介護職こそを整備養成すべきである。そして介護職の給与水準改善、労働負荷軽減のための見守りIoTシステムやアシストロボスーツ等のロボティクス活用開発こそ、超高額薬に優先すべき喫緊の国家的社会的課題である。
※本稿は「オピニオンズ」掲載草稿を原文のまま掲載。
*太字はLilyによる。
(転載終)
。。。。。。。。
(https://nazology.net/archives/112496#google_vignette)
「アルツハイマー病の原因をアミロイドβとする重要論文での捏造疑惑の詳細」
2022年7月26日
論文捏造でアルツハイマー研究の基礎が揺らいでいます。
米国ヴァンダービルド大学(Vanderbilt University)のマシュー・シュラグ氏(Matthew Schrag)と学術誌『Science』をはじめとした調査により、アルツハイマー病研究に最も強い影響を与え、アルツハイマー病の原因がアミロイドβであることを強く示した『Nature』に掲載された論文に、捏造の可能性が示唆されました。
もし捏造が事実であるなら、これまでアミロイドβをターゲットにした製薬会社の投資やアミロイドβの研究に熱意を注いだ研究者たちの努力の多くが危機にさらされるでしょう。
今回の調査の中心人物であるシュラグ氏は「論文を作成するために誤魔化すことができる。学位を取るために誤魔化すこともできる。助成金を得るために誤魔化すことも可能だ。しかし病気を治すには誤魔化しは効かない」と述べています。
しかしシュラグ氏らは、いったいどんな経緯で捏造に気付いたのでしょうか?今回は一連の出来事を可能な限り詳しく説明し、不正の実態を明らかにしたいと思います。疑いがかけられている『Nature』の論文は2006年に発表されたもので、現在論文には注釈が付けられ詳しい調査が進行中であると記されています。
アルツハイマー病の原因をアミロイドβとする重要論文での捏造疑惑の詳細
私たちの多くはテレビや新聞などで、アルツハイマー病の原因は、脳内にアミロイドβと呼ばれる毒性の高いタンパク質が沈着することが原因だと、繰り返し聞かされてきました。
この説はアミロイドβ仮説と呼ばれており、現在のアルツハイマー研究において大きな位置を占めています。
そしてアルツハイマー病の治療薬を開発している製薬会社たちも、アミロイドβの蓄積を止めるための薬の開発に、莫大な資金をつぎ込んでいます。
しかし不思議なことに、アミロイドβの蓄積防止を目指して作られた治療薬のほとんどが、目立った効果を発揮しないまま開発中止に追い込まれています。
また薬の開発に失敗した場合、製薬会社の被る損失は莫大であり、株価にも大きく影響を及ぼします。
2021年8月、今回の疑惑について告発した中心人物であるヴァンダービルド大学の研究者シュラグ氏は、ある弁護士から「キャッサバ・サイエンス社」が開発中の「シムフィラム」と呼ばれるアルツハイマー病治療薬の調査を依頼されました。シムフィラムはアミロイドβ仮説にもとづき、脳にアミロイドβが蓄積することを防止することを目的に作られていました。
シュラグ氏は以前からアミロイドβ仮説の否定派であったため、弁護士からの申し出を受け、シムフィラム開発の根拠となる論文を調査することにしました。すると驚くべきことに、キャッサバ・サイエンス社とかかわりのある34本の論文において、結果を示す画像や数値に捏造の疑いがあることが判明。
特にシムフィラム開発の根幹となる2012年に『The Journal of Clinical Investigation』にて発表された論文でも15を超える疑わしい画像を発見しました。
この論文の影響力は大きく、その後他の研究論文に1500以上の引用が行われています。
これらの結果からシュラグ氏は、キャッサバ・サイエンス社が開発したシムフィラムが偽りの研究データを根拠としており、臨床試験に参加した被験者たちは効果がなく副作用だけがある薬を投与される可能性があると結論。
米国のFDA(食品医薬品局)に対して臨床試験の停止を求める請願を提出しました。シュラグ氏はこの調査により、依頼者から1万8000ドルの報酬を受け取りましたが、彼はその後も個人的に調査を継続させました。するとアルツハイマー病にかかわる研究で『The Journal of Neuroscience』に掲載されたある論文でも、不適切に複製されたと思われる改ざん画像を発見したのです。著者の名前はシルヴァン・レスネ氏(Sylvain Lesné)となっていました。そこでシュラグ氏はレスネ氏をマークすることに。
そして2006年に『Nature』に掲載された、現在のアミロイドβ仮説の基礎となるレネス氏の論文に行き当あたりました。この論文では水溶性のアミロイドβ(Aβ56)をラットに投与すると、アルツハイマー病と同じような認知症を引き起こしたことが述べられており、アルツハイマー病の原因物質としてアミロイドβを同定した初めての研究とされています。
論文は高く評価されており、著者たちは発見の功績を称え、神経科学において名誉ある「ポタムキン賞」を受賞していて、影響度も極めて高く、他の論文に2300回以上も引用されていました。
しかしシュラグ氏が論文の画像を分析したところ、かなり明白な画像改ざんがみつかったのです。利権からみの依頼からはじまったシュラグ氏の調査が、思いもよらない大物を引き当てた瞬間でした。次のページではシュラグ氏の分析をもとに、世界で最も権威ある科学雑誌『Nature』に掲載された疑いの画像を紹介したいと思います。
シュラグ氏が論文で最初に目をつけたのが、タンパク質の質量分析(ウェスタンブロッティング)を行うために撮影された画像でした。一見すると黒いバンドが並ぶだけの画像に思えますが、上の数値はマウスの年齢を示しており、マウスが加齢するごとに、赤枠の点線で囲われたアミロイドβを意味する部分のバンドが増えていく様子が示されています。シュラグ氏がこの部分を詳しく調べたところ、赤い点線で囲われたアミロイドβのバンドに不適切な改ざんの跡が発見されました。また太い赤枠で囲われた部分のバンドを詳しく調べると、上のラインのバンドは下のラインのバンドを「コピペ」して色を薄くしたもの(あるいはその逆)である可能性が強く疑われました。
シュラグ氏らによれば、改ざんは「かなり雑」に行われており、比較的容易に判別可能だったと述べています。
ただシュラグ氏はこれらの疑わしい部分に対してまだ「詐欺」や「違法行為」といった言葉を使うことは避けており「レッドフラッグ(危険信号)」と表現しています。
最終的な結論を下すには、個人調査では限界があったからです。
そこでシュラグ氏は『Nature』と並ぶ科学雑誌として知られる『Science』に分析データを提出し、協力を願い出ます。幸いなことにシュラグ氏の申し出は真面目に受け入れられ『Science』は2人の画像アナリストに対して、シュラグ氏の主張が正しいかどうかを判定してもらうことにしました。結果、両者ともシュラグ氏の「画像が改ざんされている」との分析が正しいと結論します。さらに画像アナリストのうちの1人は、シュラグ氏が見逃していた別の疑わしい画像を発見します。その後もシュラグと画像アナリストたちはレスネ氏の調査を続け、20本以上の論文に疑わしい個所が特定されました。
『Science』はレスネ氏のかつてのボスであったアッシュ氏に対して疑惑に対する質問に答えるように依頼しましたが、残念なことに核心部分の返答は得られず「私はまだAβ56を信じている」とのコメントのみが返ってきました。
今回シュラグ氏と『Science』の調査により、アルツハイマー病とアミロイドβにかかわる、極めて大規模な捏造疑惑が提起されました。影響力の大きな論文は、その後に続く別の研究者たちの前提知識となるため、影響範囲は指数関数的に広がっていきます。もしシュラグ氏らの調査結果通りの捏造が行われている場合、これまで16年間にわたりアルツハイマー病の研究に費やされてきた努力と莫大な投資が、その根拠を疑われることになるでしょう。またアルツハイマー病の患者たちやその家族にとっても失われたものは大きいはずです。そのため一部の海外メディアでは「本当ならば詐欺を超えた人道に対する罪だ」と述べています。
一方で調査により、過去にはレスネ氏の問題に気付いて発表直前に論文を撤回した研究者(ヴィヴィアン氏)も存在することが判明します。ヴィヴィアン氏はいくつかの論文をレスネ氏と共に作成した過去を持ちますが、『Nature Neuroscience』に出す論文の最終改訂中にレスネ氏が提出した画像に違和感を覚え、他の学生に再現性があるかを確かめさせました。結果、何度やってもレスネ氏のような画像は得られませんでした。(※誰がやっても同じ結果になるという再現性は現代科学の基本です)
そのためヴィヴィアン氏は実験の正当性についてレスネ氏と対立することになり「科学的完全性を維持するために」直前で論文を撤回し、以後レスネ氏とのすべての接触を絶ったと述べています。
シュラグ氏はレスネ氏が関与していないヴィヴィアン氏やアッシュ氏の論文については、調査で問題点はみられなかったと報告しています。この結果は、研究にレスネ氏がかかわらない限り、ヴィヴィアン氏やアッシュ氏などの論文は違法行為とみられるような改ざんが行われていないことを示唆します。
現在、シュラグ氏はレスネ氏が執筆にかかわった13の論文について、掲載した『Nature』科学誌に連絡し、いくつかは調査中にあるとのこと。重用なのは、レスネ氏の疑いのせいで、アミロイドβ仮説を真面目に支持している研究者たちの論文まで被害が及ばないようにすることです。
アミロイドβ仮説を支持しているセルコエ氏は「アミロイドβ仮説が事実以上に不当に評価されることがないことを願う」と述べています。科学の世界では嘘によって利益が得られやすい構造にあるのは事実です。しかし将来の研究者候補たちに向けて最後にもう一度、シュラグ氏の言葉を紹介したいと思います。
「論文を作るために誤魔化すことができる。学位を取るために誤魔化すこともできる。助成金を得るために誤魔化すことも可能だ。しかし病気を治すには誤魔化しは効かない」
(転載終)